電車で毎日通勤している人とかなら、私の経験や気持ちがわかってくれるかと思います。家から会社までの区間、行き先は違いますがふたつの線が並行して走っています。ほぼ同じ速度で走る電車ですから、ドア付近に立つともう一方の電車のドア付近に立っている人とよく目が合うんです。私は決まった時間に家を出て、決まった車両の同じドア付近に立っています。そして……彼もそうみたいでした。並行する電車に毎朝同じ人を見掛けるな、と気付いたのは、ただなんとなく。彼もスーツ姿だったので、私と行動パターンが単に重なっただけくらいにしか思いませんでした。ただいつの間にか、名前も職業も年齢も知らない、たった3駅区間だけ顔を突き合わせる彼のことが気になり始めていたのです。自分は彼が好きなんだと気付いたのが、彼と3日連続で会えなかったとき。仕事でミスを連発しました。4日目にドア越しの再会をして、妙に安心した自分がいたのです。そして意を決し、遅刻覚悟で私は彼と同じ車両に乗り、自分の想いを直接伝えようとしたのです。ところが彼が現れないまま、電車は出発したのでした。「電車と同じで一方通行に、私だけが彼に恋していたんだな」と窓の外に目をやると、なんといつもなら私が乗っているはずの電車に彼が乗っているではないですか。彼も気付いたようで、驚いた顔を見せていました。次の駅で下車し、どうやら二人とも同じ考えだったと知りました。会社には遅刻しましたが、彼と連絡先を交換し付き合うことになったのでまったく後悔はしていません。
東京都・女性・26歳・会社員
鑑定師の先生から
“定められた運命”というものですね。この二人、前世から縁がつながっていると断言できます。ではなぜお互いの存在を知ってすぐ結ばれなかったか、またもし相手の電車に乗って告白しようとしたとき、気付かなければそのまま直接会えなかった危険性もあったのはなぜか。それは過去世で背負ったカルマ(因縁・業)が影響しているのです。前々世、前世でも二人は近い存在にあり、共に犯した罪から同じくらいのカルマを背負っていたということ。出逢いまでにすれ違いや遅れはありましたが、そのカルマの解消期間を経て無事今世でも結ばれたので、お幸せになってください。